特集 障害をもった妊産婦への援助
障害者妊産褥婦への看護援助
小野 清美
1
1千葉県立衛生短期大学第一看護学科
pp.96-102
発行日 1988年2月25日
Published Date 1988/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207315
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はじめに
1981年の国際障害者年を契機に,国際的に,障害者の自立とノーマライゼーションの考え方が強調されるようになった。わが国では,この年に「国際障害者年日本推進協議会」が設置され,障害者の諸問題の改善と改革へ向けて,1982年に10年間の行動計画を立てて取り組んでいくことになった。そして,これまでに,身体障害者福祉法の改正,国民年金法の改正,各種の法律からの不適切用語の削除のための法改正,身体障害者雇用促進法の改正などが行なわれた1)2)。昨年からは後期行動計画に当たる年ということで,人間として完全参加と平等をめざして種々の政策や運動がますます活発になってくることだろう。
この後期行動計画に当たる年に,母性保健に携わる助産婦が,障害ということの認識を深め,妊産褥婦の援助を考えていくことはとても重要なことではないだろうか。そうした意味で,本稿では,「障害」ということのもつ基本的な考え方をどのように認知していけばいいのかということと,諸々の障害がある人々を看護していく上での問題点について私見を述べてみたい。
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