特集 がんを考える
がん患者:長期の看護をいかに行なうか
張替 幸恵
1
,
飯岡 ひろみ
1
,
佐々口 博子
1
,
合田 久代
1
,
濱田 恵子
1
1国立がんセンター婦人科病棟
pp.544-552
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207652
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はじめに
がんの治療法は,手術療法,放射線療法,化学療法に大別される。どの治療法も,それぞれに苦痛をともなうが,患者は生命の危機状況を脱するために,また社会復帰することを一心に願いつつ辛い治療に耐えるのである。患者の多くは,時には挫折しそうになる気持のゆれをみせながら,他疾患の患者とは違った苦しい闘病生活を送る。その経過は1年であったり,5〜10年と長くかかる場合もある。いずれの場合もがんと向きあうようにして生きていく。患者は定期検診のたびに不安を覚え,異常を察知しては恐れの気持をもつ。場合によっては,検査や治療が追加されることもある。
しかし,治療の手だてのある患者は,前向きの姿勢を保つことができる。対症療法しかないケースでは,本人と家族のみならず,私たち看護者の心も重く暗い。
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