論壇
緊急検査をいかに行なうか
宮武 光吉
1
1厚生省医務局国立病院課
pp.866-867
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908179
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問題の所在
交通事故による外傷患者に対する医療を中心とした救急医療体制の整備が,近年になって政策的,計画的に推進され,1972年度までに全国に111か所の‘救急医療センター’が設置され,運営されてきた.しかし,この‘救急医療センター’の受診患者の実態を調査した資料によると,交通事故を含む外傷の患者よりも,いわゆる急病の患者が圧倒的に多く,しかも,患者は救急車やパトカーによるよりも,タクシーそのほかの方法によって来診する場合の多いことが明らかにされている.また,患者の受診時間をみると,病院の診療時間あるいは職員の勤務時間外が多く,ことに夜間に集中していることがわかる.このことから,救急医療は交通事故による外傷患者の診療とともに,夜間もしくは休日の急患の診療にも重点を置くことが必要であり,厚生省としても,この面の対策を検討し,実施の可能な地域から夜間休日急患診療体制の確立のために,必要な予算の補助を実施しつつあるところである.
病院は,入院患者および外来患者に対する診療を,科学的,組織的に実施する使命をもち,しかも原則として,その能力にあまり変動のないことが理想的な姿であると考えられている.
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