特別寄稿
ヒトはなぜ妊娠中毒症になるのか—比較動物学的立場からみた妊娠中毒症の病因と予防法
荻田 幸雄
1,2
1大阪市立母子センター
2カリフォルニア大学(UCLA)
pp.1006-1011
発行日 1988年12月25日
Published Date 1988/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207526
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はじめに
近年,ME機器の導入により,ドップラー法,超音波断層法などの新しい診断法が確立し,妊婦の管理法は大きく変革した。
しかしながら,このような周産期医療の発展にもかかわらず,なお解決されるべき大きな課題の一つとして,妊娠中毒症が残されている。 妊娠中毒症は,高血圧・蛋白尿・浮腫を三徴として,時には母児の生命を危うくする疾患で,古くからこの病因について精力的に研究されてきたが,今日に至ってもまだ定説はなく,「学説の疾患」に留まっている。
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