特集 10代の妊娠・出産
10代の望まない妊娠—思春期外来での対応
荒堀 憲二
1
1国立舞鶴病院産婦人科
pp.796-802
発行日 1988年10月25日
Published Date 1988/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207480
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はじめに
当院(国立舞鶴病院)の思春期外来では,市内の中学校,高等学校との事例検討会や性教育への協力を通じて,学校と密接な連絡をとりながら治療,保健指導,カウンセリングを行なっている。患者も当院小児科からの紹介を除けば,大半が養護教諭からの紹介であり,その点ではschool based的な性格の強いクリニックとなっている。開設して2年,患者はほとんどが中学2年生から高校3年生で,過去1年間の内訳は表1のとおりである。続発性無月経や月経困難症,妊娠に関連したものが多いが,STD(性行為感染症),心身症,登校拒否もある。
いま述べたとおり,当外来は学校保健との連携を強める中で機能しているので,学校が妊婦を受け入れない現状では,当外来が中学生・高校生の妊婦を扱うことはほとんどない。したがって本稿では,主に10代の望まない妊娠・中絶に関しての見方,考え方,対応の方法などを論じてみたい。
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