特集 思春期の性問題
米国における10代の妊娠とその対応
林 謙治
1
Kenji HAYASHI
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部学校衛生室
pp.156-160
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206487
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近年マスコミなどにも報ぜられている如く,米国のティーンエージャーの性行動は大変活発であり,1978年1年間で19歳以下の女子による妊娠数は総計110万件に達し,10代人口のうち10人につき1人以上は妊娠した計算になる.これだけの妊娠数の背後にこれをずっと上まわる性行動が存在するのはいうまでもない.上の数字から,米国における10代の性問題は特に限られた少数の若者の特殊な問題ではないことがわかる.
筆者が最近滞米の間も,マスコミのみならず行政,医学,教育界など多くの分野が連日のようにこの問題をとり上げているのを見るにつけ,将来わが国も同様な問題に腐心するであろうとの危惧を抱いたものであった.
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