特集 "親と子のきずな"再考--NICU入院児をめぐって
NICU入院児と家族への看護援助—親子のきずな形成と家族の発展をめざして
村田 恵子
1
1東海大学医療技術短期大学
pp.651-657
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207193
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はじめに
乳幼児期の親子関係が,子どもの発達や人格形成上重要な意味をもつことが多くの人々によって強調されている。また最近は,出生直後からNICU(新生児集中治療室)への入院を余儀なくされるような児の場合,親子の相互作用が妨げられ,その後の親の養育態度に問題が生じやすいことも知られてきた。
そのため,近年,NICU入院児の健全な親子関係の発展を助ける試みがなされている。しかし,現状では,その努力の多くが"母と子"のみに向けられているのではなかろうか。母子関係が重要とはいえ,それは母子の条件のみで決定されるものではない。また,子どもの誕生・生育は,母子関係のみから成り立つものではなく,父親をはじめとする家族や,その背後にある地域社会の影響も大きく受けるであろう。
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