特別記事 対談
『母と子のきずな』の意味するもの
竹内 徹
1
,
横尾 京子
2
1淀川キリスト教病院小児科部
2淀川キリスト教病院新生児室
pp.744-756
発行日 1979年11月25日
Published Date 1979/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205626
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Marshall H. KlausとJohn H. Kennellによる"Maternal-infant bonding-The impact of early separation or loss on family development"がアメリカで出版されたのは1976年のことである。その中で著者らは比較行動学(ethology)の理論を敷衍して,人間の場合も生後間もなく母から子どもへの愛着に不可欠な,ある独得の時期(sensitive period-感受期)があることを主張した。この概念はアメリカで従来より行われてきた母児異室制や隔離的未熟児医療の正当性を根底から覆すものだけに,その当事者-産科・新生児医療従事者に大きなインパクトを与えたといわれている。
今回,竹内徹,柏木哲夫の両氏によってその訳書『母と子のきずな-母子関係の原点を探る』が出版されたので,訳者のひとりである竹内徹博士と,同じ施設で原著講読会を重ねてこられた横尾京子氏に,本書のもつ意義を明らかにしていただいた。
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