連載 助産婦が好きだから・3
つわりの看護
岡部 恵子
1
1日本看護協会卒後教育部
pp.512-516
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207159
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妊娠初期の妊婦さんについて助産婦の研修会や勉強会で,討論したり話し合うことは比較的少ないように思います。それがなぜかはまた別に考えるとして,今回はつわりで入院していらした妊婦さんのことを書いてみたいと思います。と言いますのも,私自身が「産むことよりも,つわりのほうがずっと辛かった」という妊娠と分娩の体験をもつ者だからです。
私は妊娠2か月の頃,5〜6kgも急激に体重が減少し,とても苦しい日々を過ごしました。つわりでした。おそばを一本ずつ,ごはんを一粒ずつといった食事の日がしばらく続きました。食べられず,体力のない時におそってくる嘔気嘔吐は,全身の力をつかい果たしてしまうかと思えるほどに重労働でした。ですので,切迫流産と診断され入院した時は,「流産してしまえばいい!」とさえ思ってしまいました。
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