助産婦事典
つわりと精神的因子
前原 澄子
1
1千葉大学教育学部特別教科
pp.505-507
発行日 1976年8月25日
Published Date 1976/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205092
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妊娠負荷と精神への影響
多くの妊婦は,非妊時と比較して精神的変化が認められることが報告されている。一般に妊娠すると,精神的に不安定となり,易刺激的で怒りっぽくなったり,涙もろくなったりする。集中や決断も困難になったり,不安感を抱きやすく,不眠になることもある。特に最近の複雑な,社会的・家庭的環境がこれらの精神的特性をより強くしていると考えられている。
いっぽう内的—外的環境の変化に対する自己防衛機能の高い婦人,すなわち精神的に正常に成熟した婦人では,妊娠時においても精神的に安定している。精神的に大きな変化を生じる場合は,元来その性格に問題があり,母性に欠けた未熟な性格のことが多いといわれている。
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