連載 医療ソーシャルワーカーの相談窓口から
"仕方がないでしょ"症候群
田戸 静
1
1葛飾赤十字産院医療社会事業部
pp.178
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207082
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「性」は「生」であると穿った表現をした人がいる。「性」という言葉は,おのずと,男女という運命づけられた存在を予測させる。そんな運命的な「性」だからこそ,相互の深い理解が求められるのであろう。
ソーシャルワーカーの相談室へ紹介されてくる10代の未婚妊婦に接していると,「性」を「生」きる姿勢に1つの傾向が読みとれる。数年前までは,10代の未婚女性が妊娠したとなると,困惑と悔恨の念が言動にみられたものだが,最近は,それを正当化しようとする態度が,やたらと目につく。「私がそう思うのだから,仕方がないじゃないの」といった自分中心の一方的な言い方にヒヤッとさせられるのである。
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