連載 助産婦職能の変遷を探る・15
瀬木氏と妊産婦手帳
大林 道子
1
1東京女子大学短期大学部
pp.715-721
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206941
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始末書問題をひき起こした瀬木氏の一文
前回は,1940(昭和15)年5月に公布された国民優生法の成立に,瀬木三雄氏が関与していたかどうかを検討し,関わりがないことを傍証してきた。しかし,その論拠は瀬木氏の戦後の回想が主な資料なので,今一つの感は免れなかった。氏が同法公布後の戦中に同法への批判的記述を行ない,警視庁一厚生省優生課から抗議を受けたという論文を探していたのだが,それが今回みつかった。
「日本医事新報」の昭和17年6月6日号"優生法と崖婦人科学"である。この論文の構成は,一.緒言 二.優生法の本質的問題 三.優生法施行及び取締に対する医師の希望と疑点 四.優生法に対する希望 五.優生審査会の構成となっている。
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