連載 教育評価のはなし
テスト問題について
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.527
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206903
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学習の結果を評価する際に,その判断材料を得るためにテストを実施する場合がたいへん多いであろうと思われます。このテスト問題作成はなかなかやっかいで,いかに工夫,検討しても満足のいくものができたという感じを持てず,苦労する作業のようです。私も,授業のなかでは教育評価について偉そうな話をしていながら,実際に教育評価の授業の「評価」になると粗末なテスト問題を作成・実施して行なっており,いつも自己嫌悪に陥ります。
学習結果の評価のために問題を作成するときには,教育目標,教授内容,教授方法などをよく検討し,何を,どの程度,どのように教えたかを十分チェックしたうえで行なうのが原則です。しかし,このような原則はよく確認していながら,具体的に問題をどのように作るかについて悩むことのほうが多いようです。「問題の作り方はどうすればよいですか」という質問をたびたび受けますが,この場合もほとんどが実際の問題作成法についての質問です。で,答えはただ1つ「うまい方法があれば,私に教えて下さい」です。こうすればテストが作れる,という具体的ノウハウはありません。方法は,原始的ですが,よく教授内容を検討し,他の問題の長所・短所をみて,試行錯誤を繰り返しながら,よいと思われるものを探っていくことです。
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