特集 高年初産婦への援助
高年初産婦の管理と指導
斎藤 朱美
1
,
鮎貝 るみ子
1
,
目黒 順子
1
1仙台市立病院周産部
pp.305-310
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206855
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はじめに
結婚年齢の上昇,職業婦人の増加に伴ってか,最近当院でも高年初産婦の増加傾向がみられるようになってきた。ちなみに,当院における過去10年間の初産婦の平均分娩時年齢の推移をみると,図1に示すように,年を追うごとに急上昇し,10年前の昭和50年には25歳をきっていた平均初産年齢は,昭和59年には27歳に手の届くところにまで達しており,10年間に2歳も上昇していることが明らかとなった。
これを総初産数に対する高年初産数(30歳以上)の割合としてみると,同じく年とともに増加し,昭和59年には初産の5人に1人は高年初産の範ちゅうに入ってしまうという結果が得られた(図2)。ただし,35歳以上の妊婦の割合は,この10年間2〜3%を前後して大きな変動を認めず,30歳台前半の年齢層の増加が,いわゆる高年初産増加の原因と考えられる。このことは,図3に示す昭和51年と昭和58年の初産年齢の分布状態を比較してみたグラフより明らかである。
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