特集 高年初産婦への援助
高年初産婦への看護援助
福永 宏子
1
1佼成病院産婦人科
pp.299-304
発行日 1986年4月25日
Published Date 1986/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206854
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はじめに
高年初産はそれ自体,疾患ではないが,異常に陥りやすい者が多いという,いわゆる"ハイリスクグループ"という意味では重要である。
国際産婦人科学会では35歳以上となっているが,日本産科婦人科学会では30歳以上の初産婦を高年初産婦といい,産科的異常も30歳を境として急増するといわれている。しかし,30歳過ぎて分娩する人がすべて異常な経過をたどるわけではなく,普通に分娩している者も多い。肉体的年齢は必ずしも暦年齢と一致しないが,産婦のなかには,高年齢というだけで心配し,不安をもつ者もある。他方,高年になるにしたがい精神的・社会的に成熟度を増すことになるから,高年初産婦は母性的には非常に児の受け入れの良いグループともいえる。
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