ケースレポート
常位胎盤早期剥離をくり返した産婦の看護
大澤 千鶴
1
,
佐々木 敦子
1
,
山口 文子
2
1信州大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻
2信州大学医学部附属病院
pp.160-166
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206822
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はじめに
常位胎盤早期剥離(以下,早剥と略す)は,周産期死亡の重要な成因の1つで,臨床的には突然に発症し,予測しがたく,その経過は急激である。本症の病的剥離の原因は不明であるが,疫学的にみて,妊娠中毒症が基礎疾患として存在することが多く,次回妊娠時も早剥を起こしやすい。そのため,早剥の既往のある経産婦で出産の希望が強い場合には,妊娠の厳重な管理がなされなければならない。
本事例は早剥のある経産婦で,今回の妊娠経過中,26週で中毒症を発症し,再び早剥を起こした事例である。この事例を通じ,産科救急時の看護と,既往妊娠分娩歴と早剥との関係について考察したので報告する。
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