それぞれの10年から

　昨年は〈国連婦人の10年〉の最終年であった。7月にナイロビで開催された世界婦人会議には，我が国からも政府・民間から数多くの女性が参加し「婦人の地位向上のための将来戦略」が討議された。また，国内においては，懸案の〈男女雇用機会均等法〉が5月に成立した。この10年，女性の地位は過去の歴史に類をみないスピードで向上したと思う。しかし，まだ解決しなければならない問題は山積している。女性の未来がどうなるのか，新たな第一歩を踏みだす年を意義あるものにしたい。

　ここで私たち助産婦も，10年の軌跡を振り返ってみたいと思う。それはきっと懐旧だけではなく，現在の位置を確認することになり，展望をも与えてくれるであろう。私自身の10年を振り返るとともに，数名の仲間たちにも話を聞いてみた。『助産婦雑誌』の10年も手がかりにしながら。