特別寄稿
主体的な助産婦を育てるために—私の臨床指導教育論
石塚 和子
1
1大阪赤十字助産婦学校
pp.936-944
発行日 1985年11月25日
Published Date 1985/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206756
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はじめに
助産婦教育について考えるといっても,理想論に走りたくない。ただ,自分自身が助産婦という職業に充実を覚えながら生きてきたことだけは,自信をもって伝えたいと思う。日常,学生と過ごす時間が一番長いのだが,どのように接したら学生と一緒にいるのが楽しくなり,そして相互に人間的なふれあいと,目にみえない豊かさを感じとることができるか,そんな共育を考えてきた。そして11年が経過した。
臨床教育の場でも一般目標,個別行動目標ということが,スタイルとして定着している。そして,それらの目標にフィードバックさせながら指導は進められているが,修得すべき内容の緻密性が高くなればなるほど,学生の生き生きした,自由な行動がおさえられていくような気がしてならない。また,私たち自身,しだいに将来における助産婦像について語りあわなくなり,いささか自閉的傾向もみうけられる。これらの原因には教育者が,助産婦をどのように受けとめているかということが大きくかかわり,違いがでてくる。教育目標を生かすも殺すも,指導者の能力にかかっている。
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