特集 分娩後2時間:母体と新生児のケア
分娩後2時間:母児の観察とアセスメント
千野 良子
1
1山梨県立中央病院産科病棟
pp.850-855
発行日 1985年10月25日
Published Date 1985/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206739
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
分娩後2時間は,分娩をとり扱っている私たちにとって,最も緊張する時間であり,目のまわるような忙しい時間である。特に当科は病床数580床の総合病院のなかにあり,地域の中核病院であることから,必然的にハイリスク妊婦が多い。また一看護単位のなかに26床の妊産褥婦ベッドと新生児・未熟児センターをかかえ,分娩も月間30〜40例とり扱っている。
スタッフは新生児・未熟児管理を受け持っている小児科医4名,産婦人科医4名,看護スタッフ17名で構成され,このうち助産婦は婦長を含めて11名である。小児科医は別に小児科病棟,産婦人科医は婦人科病棟を兼務している。このような煩雑な業務のなかで,分娩後2時間にわたって母児を確実に看護するには,分娩をとり扱う私たちの正確な観察力と判断力が大きく要求される。それというのも,この時間帯での母児の観察と,それに基づく判断と処置が適切か否かでそれ以後の母児の状態が大きく影響されるからである。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.