特集 分娩後2時間:母体と新生児のケア
分娩後2時間の母児ケア
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.840-849
発行日 1985年10月25日
Published Date 1985/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206738
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"分娩後2時間"という意味
ここでいう"分娩後2時間"というのは"胎児娩出後2時問"という意味に理解してほしい。すなわち,胎盤の娩出期である分娩第3期とそれ以後の2時間の分娩第4期とをあわせた時間帯を指している。
とりわけて,分娩後2時間とこの時間を指定する意味は,弛緩出血をはじめとする母体の大出血(いわゆる産科ショック例)のほとんどがこの時間帯に発生するし,新生児仮死を含む出生直後の新生児の呼吸障害や適応障害も,この時期に適切な対策を必要とするためである。つまり,私たち分娩をとり扱う者にとって,母体に対しても出生した新生児に対しても,最もいそがしく対応しなくてはならない時間階であり,かつ,その対応が正しく,適切でなければならないことが要求されているわけである。
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