特集 心疾患合併妊娠
心疾患合併妊産褥婦のアセスメントと看護計画
斎藤 益子
1
1県立宮崎保健婦助産婦専門学院
pp.127-134
発行日 1985年2月25日
Published Date 1985/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206593
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はじめに
妊婦の循環機能は,各種の内分泌因子や代謝の変動を受けて,非妊時とは著しい相違がある。すなわち,循環血液量の増加により非妊時と比べ約40%も仕事量が増加する,といわれている。したがって,心疾患のある女性が妊娠すると,非妊時には十分対応できていた循環機能が妊娠による負荷に耐えきれず,急性心不全などの循環機能障害を発生し,母体の生命を危うくする場合もある。
妊娠に心疾患を合併するのは約0.5〜2.5%であり,妊娠中に種々の合併症をおこすものは,ニューヨーク心臓協会(NYHA)の心機能分類が重症になるに従って増加してくる。また,今日では,内科・小児科・外科領域における心疾患の治療や管理の進歩により,心疾患を有する妊婦に出会う機会が増えてきている。
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