連載 助産婦のための臨床薬理・9
時刻分娩学[2]
柳沼 忞
1
1東京大学医学部付属病院分院産婦人科学
pp.1040-1047
発行日 1984年12月25日
Published Date 1984/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206564
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時刻分娩学の大きい課題
前号において,陣痛開始の時刻あるいは分娩の時刻に,ほぼ24時間の周期性があることを解説した。そして,これが子宮の収縮性を高めるエストロゲンと,それを抑制するプロゲステロンの血中濃度の比の周期に関連するかもしれないことを示した。しかし,陣痛開始または分娩時刻の周期性の原因は,さらに多くの研究によって解明されなければならない。これが,当面している時刻分娩学の大きな課題であり,この解決が,前述したように,陣痛開始時刻または分娩の時刻の予知,陣痛誘発の適切な時刻の決定,あるいは早発陣痛の適切な治療につながると考えられる。
ここでは,最初に陣痛開始に関係のある子宮の収縮性の日内リズムと胎児に存在する日内リズムについて説明したい。
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