特集 分娩看護管理
分娩時胎児モニタリングの実際
佐藤 貞子
1
1東北大学医学部附属病院産婦人科
pp.1007-1015
発行日 1984年12月25日
Published Date 1984/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206559
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はじめに
観察とは何か。岡部は,単に目でみるだけでなく,看護者としての専門知識をもち,心をよせて見守りつづけることである,とのべている。また,分娩時に助産婦が「母子にとってよりよい看護」を行なっていくには次の2点が重要であるとのべている。第1点は,母子の生命の安全に視点をおいた即時的・即応的な判断力(cureに視点をおいた看護),第2点は,母子の自立に視点をおいた長期的・指導的な援助のための判断力(careに視点をおいた看護)である,と。
このCureとcareの基本となるものは助産婦の観察力・判断力・実践力であるといえる。そして,その良否は,母子の健康度,ひいてはその人の将来をも大きく左右するほどの意味をもつものであることを自覚しなければならない。今回は,既知の分娩時の観察をふまえて私たちが臨床で実際に行なっている母体・胎児情報収集,特に胎児モニタリングの実際についてのべていきたい。
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