原著
早産例における分娩時の胎児心拍数モニタリング所見の評価について
安達 信博
1
,
小笠原 敏浩
1
,
西島 光茂
1
Nobuhiro Adachi
1
1岩手医科大学産婦人科学教室
pp.515-519
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904855
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早期産分娩時の胎児心拍数モニタリング所見(CTG)評価が正期産時と同じで良いか否かについて検討するため,頭位自然分娩例(24〜31週27例,32〜36週23例,37〜41週124例)のCTGと臍動脈血ガス分析値との関係について比較し,以下の結果を得た。
(1)早期産例においてもFD Index(前田の胎児仮死指数)は特に臍動脈血pH値と有意な負の相関を示した。(2)在胎週数別に臍動脈血pH値を(Y),FD Indexを(X)としたときの単回帰分析直線より,24〜31週群と他の2群との間には,傾きに著明な差を認めた。(3)酸血症症例(pH<7.25)と非酸血症症例(pH≧7.25)とのFD Indexの各因子(基準心拍教:BASE,最小心拍数:HR,最大振幅:AMP,持続時間:DUR,回復時間:REC,遅延時間:LAG,W型一過性徐脈:W-DIP,基線細変動消失:LOSS)とpH値との重回帰分析より,24〜31週群ではBASE,LAG,HRが,37〜41週群ではHR,REC,AMPが特に重要な因子と考えられた。
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