臨床研修セミナー 胎児仮死
胎児モニタリング―Biophysical point
辰村 正人
1
Masato Tatsumura
1
1鳥取大学医学部産科婦人科
pp.68-72
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904820
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Biophysical(生物物理的)胎児モニタリングとしては,Manningら1)のbiophysical profile scoringがよく知られており,周産期死亡予知に正確な方法であると提唱した。胎児心拍数図,超音波画像診断の有用性を述べており,5個のパラメータにスコアを付け定量的診断を試みている。これらは全て非侵襲的な方法で,その他にレントゲン写真やMRIなどが考えられるが,今日,非侵襲的で有用性が高い胎児仮死診断法は胎児心拍数図,胎動心拍数図,超音波診断であろう。中でも胎児心拍数は重要な診断法である。胎児が低酸素症になれば,心臓調律中枢も障害され心拍数に微妙な変化を来すのである。それ故胎児心拍数は胎児低酸素症の診断の指標となる。胎児仮死の定義,病因については他誌2)にゆずる。
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