特集 いま分娩を考える
立ち産へのトライアル
体験者は語る
妻とわかち合った産みの苦しみと,そして喜びと
後宮 淳彦
pp.266-268
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206210
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私にとって昭和57年10月10日16時53分は生涯忘れ得ない鮮烈な印象となり,いつまでも記憶に残っていることと思う。待ち望んだ初めての子である長女の生まれた日であり,これだけなら別にどうということもないが,立派な口髭をたくわえられた当直のA先生に,父親の私が,分娩室に軟禁(これは冗談…)され,医師の着るような白衣を羽織り,3時間余にわたる妻の陣痛,引き続いて50分余の"立ち産"による出産の瞬間まで,立ち合うのみならず,あらゆる局面で"参加"した稀少な事例ゆえに,そのときの感想をここにご披露申しあげることにしたい。
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