特集 いま分娩を考える
立ち産へのトライアル
扉
pp.262
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206207
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医療施設に分娩が集中するようになって約30年,母児の安全を守るという施設分娩の所期の目的はほぼ達成されたかにみえる。最近,ラマーズ法や分娩時の体位についての論文を目にする機会がふえてきたが,これらは,分娩に追いまくられてきた産科医療にも,分娩そのものを見直すゆとりがでてきたことを示す,ひとつの左証といえるかもしれない。これからは,安全なだけではなく,さらに分娩環境をも含めて,母児やその家族にとって好ましい分娩とは何かが問われるようになるだろう。この間に,立ち産を介して取り組んだ記録が「立ち産へのトライアル」である。これを果敢と評するかそれとも無謀とみるかは,読者それぞれの立場や感性によって異なるだろう。ともあれ,この試みを素材として,来たるべき21世紀の分娩に思いをめぐらせていただければ幸いである。
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