ケースレポート
先天性心奇形児を看護して—特に母親とのふれ合いについて
小口 かおる
1
1信州大学医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻
pp.215-220
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206197
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はじめに
医療の進歩は,母・児の救命という点では大きな成果があげられているが,しかし,多くの新たな問題点も生じつつある。たとえば,なんらかの障害を持って生まれた子どもは,治療や管理のため,早期より長期間の母子分離をしなければならないことがしばしばある。関係者として,母子関係確立への援助には十分な配慮が必要である。
今回,重症の先天性心奇形児で,出生直後より各種の治療を重ねたにもかかわらず,生後3か月後に児の死亡した事例を受け持ち,出生から死にいたるまでの母と子のつながりについて観察する機会を得たので,その概要を報告する。
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