特集 体外受精
体外受精の最新動向
森本 義晴
1
1河内総合病院不妊センター
pp.181-188
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900976
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はじめに
はるか昔のことであるが,妊娠できないカップルのうち女性が一方的にその原因とされ,石女(うまずめ)と呼ばれ悲惨な一生を送った時代がある。現代に至っては,排卵に関与する内分泌学あるいは精子学等の発達によって,生殖に関する分野は徐々に進歩し,それに伴って不妊患者に対する理解もやや改善されたが,まだまだ十分とは,言えず,苦しみを背負っている人は多い。
しかし,体外受精法を始めとする卵・配偶子操作を伴う不妊治療(これを総称してART:assistedreproductive technologyと呼ぶ)が開発され,女性にとっての不妊治療環境は一変した。本稿ではこの点に焦点を当て,その歴史と発展状況,最先端技術及びその将来について述べてみたい。
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