分娩体験記
助産所分娩で受けた濃厚看護
柳川 精子
pp.608-610
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206061
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
私たち夫婦は,妊娠したとわかったとき,医学的管理と分娩介助をしてもらうほかは,この妊娠・分娩を,夫婦二人でやり通すことに決心した。というのには,二つの理由があった。
一つは,私自身が過去に4年間半の助産婦経験があり,現在,保健婦という立場から夫婦二人でやりとげるお産というものに,興味があったこと。二つめに,私たちの結婚のいきさつから家族の協力を求めるにはむずかしい状態にあり,必然的に二人でお産に取り組まざるをえなかったのである。しかし,自分たち二人の手で,すべてをやり通さねばという覚悟は,夫婦の信頼関係をつくりあげるための,すばらしい経験となった。そのような覚悟のもとでの妊娠生活・分娩ではあったが,この世の中は,たった二人で成立しているわけではなく,さまざまな人にお世話になることになった。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.