私と読書
「古代醫術と分娩考」—巴陵宣祐 訳著
菅沼 ひろ子
1
1聖母病院
pp.606-607
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206060
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出産と文明のかかわりを改めて考える
最近イギリスに渡った友人(助産婦)から,おもしろい手紙が届いた。それにはたまたま彼女が訪れた牧場での,羊の出産の様子が細かく観察され書かれてあり,読んだ私も今さらとは思うが,その素晴しい白然現象ともいうべき"安産"ぶりに感激してしまった。
産羊(産婦をもじって)は,陣痛時は地面に坐り,激しい息づかい(呼吸法になるのか?)をし,さらに進行してくると,お尻を塀に押しつける行動をとるそうだ。これは意味のある行動であろう。さらに分娩は坐産(しゃがみこむ)であり,そこには何ら助産羊(?)の存在は無いのである。臍帯は誰が切断するというのではなく,自然に切れているとのこと。
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