特集 母乳哺育の現況・Ⅰ
母乳栄養に関連する諸要因の検討
安達 由美子
1
1天使女子短大衛生看護学科
pp.550-567
発行日 1982年7月25日
Published Date 1982/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206052
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はじめに
近年,母乳栄養の重要性が指摘されてきた。そのため,助産施設や地域において母乳栄養推進の努力がなされていることは喜ばしいことである。しかし一般には,母乳栄養を継続するのはむずかしいのが現状といわれている1)。
北海道の別海町母子健康センターにおいては,昭和53年以来,入院中の粉乳の使用中止,母乳分泌不足の母親のため冷凍人乳貯蔵,産前産後の乳房の諸手当などの対策を推し進めてきた。その結果,全国的にみてもかなり高い母乳栄養率に至った2,3)。しかし入院中から1か月健診までをみても,まだ十分とはいえない。すなわち,退院時では4割強,1か月健診時では2割強のものが母乳栄養ではない現状である。
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