研究・調査・報告
遺伝相談における助産婦の役割と追跡調査の結果
伊藤 栄子
1,2
,
塩野 寛
3
1札幌市立中央保健所
2現在:札幌市立西保健所
3札幌医大法医学教室
pp.371-375
発行日 1981年5月25日
Published Date 1981/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205850
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
最近,遺伝性疾患,体質性疾患,奇形などに対して親の認識が深まれにつれて各地で遺伝相談を行なう施設が増加してきている。また地域住民への医療のサービスとしてこの業務を保健所が行なっているところが多い。
遺伝相談は相談者であるクライアントとそれに回答するカウンセラーによって行なわれるが,この相談を円滑に進めるためのパラメディカルスタッフの存在が重要な役目をはたす。直接相談者の身近な話し相手となり,適切な相談者を集めてくる点では在宅訪問を行なうことの多い保健婦が遺伝相談の補助者として最適であるが,遺伝相談の内容のほとんどが,妊娠,分娩,新生児,家族計画の問題に関係してくるので,この意味では助産婦が遺伝相談の補助者として最適となる。保健婦,助産婦の双方の参加を得て遺伝相談ができない現状では,その選択にせまられる。ちなみに札幌市の4つの保健所で行なわれている遺伝相談では2つの保健所が助産婦,残り2つの保健所が保健婦をその任に充てている。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.