サルとヒトの比較産科学・13
サルの妊娠(Ⅲ)
大島 清
1
1京都大学霊長類研究所
pp.229-240
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205830
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まえがき
このたびの年末年始は東京で過ごした。静かな街のただずまいと,東京の青い空が見たかったこと,これが1つ。年内にどうしても片付けておかねばならなかった瑣事があったことと,新玉の年の決意を祈念したい神社が愛宕にあったこと,これが2つである。
正月に帰るべきふるさとのなくなったということもある。2年前の正月が,両親と過ごした最後の正月だった。2人とも元気で,とてもその年の早々にみまかるとは見えなかった。70を過ぎても,80を過ぎても,もっともっと長生きを,と願うのが子心というものであろう。両親をほとんど同時に失って,私を支えていた柱が1本音もなく崩れてゆくのを感じた。
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