グラフ解説
犬山見聞記—京大霊長研に大島清先生を訪ねて
林田
pp.241-242
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205831
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昨年の11月中旬,犬山にある京大霊長類研究所に『サルとヒトの比較産科学』を執筆中の大島清先生を訪ねた。名鉄・犬山駅から車で約5分,のどかな田園風景に囲まれた小高い丘の上に鉄骨5階建の霊長類研究所がある。研究所の裏手には柵を隔てて日本モンキーセンターが位置しており,犬山は,いうなれば日本のサル学者たちの頭脳密集地帯でもある。
先生の研究室は最上階の5階にあり,真南に向いた大きな窓からは,晩秋とは思えないうららかな陽光が部屋いっぱいに差し込んでいた。明るくよく整頓された研究室には木彫のお面をはじめとして,先生が海外で手に入れられた民芸品の数々が飾られている。それらと並んでさりげなく置かれたテニスラケットからは,スポーツマンOSHIMAの放つ乾いたスマッシュの音が聞こえてきそうだ。差し出された来訪者名簿に署名をすませ,先生が自らドリップしてくださったコーヒーをごちそうになる。そして,部屋の壁に貼られたゴリラのポスターの前で記念撮影。これがどうやらお決まりのコースらしい。ひと息ついたところで研究所内を案内していただいた。
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