特集 先天異常児の出生と家族への援助
外表奇形の治療概要と両親への指導—頭蓋および顔面の外表奇形 とくに唇顎口蓋裂と小耳症について
荻野 洋一
1
,
増井 美代子
2
,
中村 雄幸
3
1聖マリアンナ医科大学形成外科学教室
2聖マリアンナ医科大学ことばの治療室
3聖マリアンナ医科大学院
pp.657-667
発行日 1980年10月25日
Published Date 1980/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205769
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1.はじめに
形成外科で診療の対象となる先天異常は,体表面に近い組織・器管の奇形,すなわち外表奇形と言われているものである。
かつて外表奇形の治療は形態異常のある部位により,外科,整形外科,耳鼻科,眼科,口腔外科などで,それぞれの科の診療の一部分として行われていた。しかしこうした先天異常に対する修復再建手術の分野における進歩発展とともに,治療成績をさらに向上させるためには特別な専門知識と技術修練が要求されるようになり,独立した専門分野である形成外科において,統合的に治療することの意義と必要性が次第に認識されるようになってきた。
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