特集 先天異常児の出生と家族への援助
外表奇形児の出生と看護(Ⅱ)—主に口唇裂・口蓋裂児の入院を中心に
堀 喜久子
1
1神奈川県立こども医療センター新生児・乳児外科病陳
pp.688-692
発行日 1980年10月25日
Published Date 1980/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205773
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1.入院時の一例
●ロビーで
形成外科外来看護婦が,両側唇顎口蓋裂の入院患児Aちゃんとその家族を案内して来ました。3か月の女児Aちゃんは母親に抱かれ,父親と祖母,そして3歳の姉に付き添われています。Aちゃんは歯科で作ってもらったプロテーゼを上顎にはめ,眠っています。入院時の計測をすることを話して,Aちゃんを抱くと,ずっしりした丸味のある重さを感じました。Aちゃんは少しびっくりしたような顔で目を覚まし,看護婦を見ました。付き添いの家族は,他の人に抱かれても泣かないAちゃんのようすにホッとしたようで,「バイバイ」と言っています。家族は廓下で待っていてもらうのです。
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