境界領域の再評価とその展開 特集
新生児異常をめぐって
外表奇形と形成外科
鳥飼 勝行
1
,
塩谷 信幸
1
Katsuyuki Torikai
1
,
Nobuyuki Shioya
1
1北里大学医学部形成外科教室
pp.175-180
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207556
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形成外科手術の目的は,失われた形態や機能の再建にあり,その対象となる疾患は奇形,外傷,腫瘍,後天的変形など種々のものがある。その中でも外表奇形は,その多くが生下時より発見され,他人に見える形態異常であるという点で特異な社会的・臨床的意義をもつ。また,その治療法も治療時期,方法によりその後の身体的,心理的な成長発育に深いかかわり合いをもつため,それらを障害しない配慮が必要である。近年の形成手術の進歩により外表奇形の治療成績が向上し,従来不可能であった変形の治療も可能となった。しかしながら,いまだ有効な治療法がない疾患もある。
本稿では,外表奇形のもつ治療上の特殊性ならびに最近の治療法の進歩,さらに形成外科で扱うことの多い外表奇形につき概説する。
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