特集 地域母子保健と助産婦の役割
地域母子保健実習を通して考えること
性教育を実施して
柴田 弘子
1
1弘前医療短大専攻科
pp.448-449
発行日 1980年7月25日
Published Date 1980/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205727
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私たち3回生の地域母子保健演習は,小中学生に対する性教育の実習でした。先輩の1回生,2回生が調査した青森県内の母子健康実態によると,演習地に指定された村は,特に若年者の人工妊娠中絶が多いと報告されていました。そこで母子保健対策のひとつとして,3回生は性教育を実施することになりました。事前に生徒の意識調査をし,教育プログラム,教材を作成してゆく過程で,私自身はたしてどのような性教育が最も望ましいのかと悩みました。性教育を行うことには実に多くの問題があり,若く,学生で,その上未婚の私は,その大きな問題をどう解決すれば良いのかと少々途方にくれました。"性教育は人間教育"と言われて,その教育のあり方が問われているからです。人間とは,愛とは,そして結婚とは,等等について考えさせられました。それは,対象のためよりも大いに自分自身のためともなりました。
そして,地域母子保健演習の中で,助産婦は母子保健分野の専門家として,女性のライフサイクルにおいて,保健的観点から援助,指導できると学び,私なりに性教育はできると自負し,いざ本番! 実習にのぞみました。しかし,地域,特に中学校教師の消極さには認識の差を痛感させられたのです。
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