研究・調査・報告
地域母子保健実習の中で性教育講座を実施して
渡辺 周一
1
,
大山 昭男
2
,
長尾 長男
3
,
高木 美智子
4
,
岩永 信子
4
,
昭和57 58年度生
5
1東海女子短期大学
2岐阜県河茂保健所
3前岐阜県立衛生専門学校
4岐阜県立衛生専門学校助産学科
5岐阜県立衛生専門学校助産学科
pp.425-436
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206649
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はじめに
助産婦の業務は,病院・診療所内における活動のみでなく,思春期から更年期にわたる母子のライフサイクル全般の保健管理も含まれる。ところが,助産婦学生を対象に助産婦の役割とは何かを調査した場合でも,学校入学時は「助産婦は分娩介助を行なう人」という既成の固定的な概念を持っているだけの学生がほとんどであり,地域の母子に対する健康管理者であることを認識している学生は少ない。その学生に助産婦業務の全般を理解させるためには,地域母子保健実習は今後の助産婦活動認識の上できわめて大切なことと考える。しかし,地域で活動している助産婦の減少と,母子健康センターの市町村保健センターへの移行により,助産婦の地域での活動の場が更に縮小されているので,地域母子保健の教科と実習の方法に対する検討は急を要する重要な課題である。
本校では,昭和45年の開校当初から,地域母子保健の実習を母子保健活動の活発な岐阜県羽島郡川島町の母子健康センター(現在の川島町保健センター)を拠点として,行なっている。昭和57年度から,地域母子保健実習の効果を充実させるために学生に対し「思春期性教育」を課題として,地域における助産婦の母子への取り組み方について指導しているので,その実施の方法や結果について報告し,今後の実習のあり方について考えていきたい。
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