特集 最新の予防接種
総論
予防接種実施の立場から—高率に安全に実施するために
山下 章
1
1東京都四谷保健所
pp.18-23
発行日 1956年2月15日
Published Date 1956/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201644
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まえがき
伝染病予防行政としての立場から,予防接種がどの程度の効果をもたらしているか。その量的な測定は困難としても,極めて大きな役割を演じていることについては何人も否定する者はなかろうと思う。この予防接種の効果をあげるためには,如何にして安全であつて有効なワクチンをつくるかという研究が第一義的に大切であることは論を俟たないが,如何にして大衆に高率に実施するかということも勝るとも劣らぬ重要性がある。私は過去4年間の東京都防疫課長としての経験と,わずかではあるが,保健所長としての体験から,予防接種を高率に而も安全に実施するためには,如何なる点が大切か,如何様の注意が必要か等について頂を追つて,2,3の点について述べてみたい。
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