私と読書
生命の尊さをカメラに託して—写真集「誕生の詩」を読んで
田辺 陽子
1
1弘前大学医学部付属病院
pp.494-495
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205580
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私は助産婦として日が浅く,まだまだ未熟ではありますが,この『誕生の詩』に目を通していくうちに,生命の誕生を得る喜びに新たに出会った思いがしました。そして同時に,助産婦の社会的意義を感じないではいられませんでした。
この本は出生直後の新生児の写真集です。どの写真にも特別に凝ったタイトルは記されておりませんが,短いコメントが付されており,それがいっそう,主人公である,あかちゃんの情感を豊かにしているように思われます。このコメントは写真家のベリイマン自身が,あかちゃんの言葉として写真に添えたものですが,愛嬌のある言葉の一言一言が,今にもその表情からとび出してくるような錯覚に陥るのです。
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