私と読書
知識と体験のみごとな融合—「乳幼児期」を読んで
島田 圭子
1
1弘前大学医学部附属病院
pp.422-423
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205566
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本書の著者ローランス=ペルヌーは育児教育問題を専門とする女性ジャーナリストで,現在は家庭教育関係図書の監修に従事している。私生活では2児の母でもあり,その体験からより適切な育児書の必要性を感じ,本書の執筆にあたったといわれている。
医療関係者や心理学者等の執筆による育児書の多いなかで,このマダム・ペルヌーの場合は,専門的な知識と母親としての体験による知識をうまく融合させ,子供の日々の成長や親子の関わりいったものがより具体的に,日常的に書かれており,お母さん方にとっても非常に読みやすく,受容しやすいものであると思われる。また,母子看護にたずさわる私たちは,とかく新生児や病児に関わることが多く,知識や経験が片寄りがちであるが,本書を通し,健康な普通の子供の成長発達や,その中での母親をはじめとする家族との関わり方,および母親自身の育児に対する見方や姿勢といったことが学べ,母親に対して生きた助言や指導をするのに役立つものと思われる。
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