変貌する外国の医療・3
保険と福祉がみごとに結合—フィンランドの医療事情
落合 勝一郎
pp.70-71
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205581
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欧州の極北に位置するフィンランドは,戦争のたびに外国に領土を奪われるという不幸な歴史を繰返してきた国であるが,それだけに国民の団結心は非常に強く,人口460万のこの国の医療制度にも,この特色が色濃くにじみ出ている.
寒さ,悪天候,激しい労働,食事内容の貧しさといったこの国特有の環境因子のせいであろう,循環器疾患,呼吸器疾患,がんなどが多く,さらに自殺,事故,幼児の死亡率もきわめて高い.したがって,この国の公衆衛生活動も非常に徹底していて,伝染病対策,環境衛生はもとより,家庭の衛生から,食料品の生産・配給に至るまで,監視の目が行きとどいている.
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