母と子を看とるなかで
恵みの子
横尾 京子
1
1淀川キリスト教病院
pp.267
発行日 1978年4月25日
Published Date 1978/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205372
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「結婚は,子供が欲しくなった時にする」と知人は言うのだが,女の私は,この一言を割り切れない思いで聴いた。子供は当然産まれるものだという身勝手さが,女を苦しめているようで悲しい。子供ができなければどうするのだろう。すでに,夫婦にとって子供はカスガイではなくなってきている。そして,子供は親のものではないという気もする。でも,やはり,自分たちの子供が欲しいものなのだろうか。
彼女は,結婚後5年目にやっと我が子を手にしようとしていた。彼女には,結婚後の生活が子供を得るためのものでしかなかったように思わせるヒストリーがあった。胞状奇胎・流産・前置胎盤で9か月に帝王切開,児はRDSで死亡,そして今回もまた前置胎盤。
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