特別企画 よい乳を助産婦の手で/桶谷式乳房治療手技
わたしの分娩体験記
かけがえのない母乳育児の体験から
浅井 富美子
pp.432-435
発行日 1977年7月25日
Published Date 1977/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205235
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母乳が出ない なんてウソ!
私は1972年1月,郷里の富山県高岡市で第1子を出産しました。病院出産で母子別室制でした。分娩後3日目に授乳室で初めて自分でおむつを替え授乳するのですが,なぜかうちの子は眠っていて,なかなかうまくゆかないのです。無理に乳首を押しこむと,初めはちょっと吸いつくふうだけど,すぐまた眠ってしまうのです。私の乳の出が悪いからかしら(すぐそう思ってしまう),それでもなんとか頑張ってと思っても,眠っていてラチがあきません。
助産婦さんは"起こしなさい"とおっしゃるけど,スヤスヤ眠っている赤ちゃんの耳を引っぱったり,足の裏をひっかいたりは,どうしても遠慮がちにしかできなくて成功しません。30分も1時間もモタモタして,次は2時間後でないと来てやれないと思うと,焦って,ミルクを与えてしまう。そうするとミルクは飲む。そんなこんなで,退院する頃にはすっかりミルクのお世話になっていました。
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