連載 白金台365歩のマーチ—国立公衆衛生院看護コース研修生の素顔 番外編・1
研修の1年間を振り返って—衛生院での経験と友人はかけがえのない宝物
ふくもと くみこ
1
1熊本県健康センター
pp.668-669
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902783
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わがままな妻・嫁・母で,ごめんね
平成5年3月,平成4年度国立公衆衛生院1年コース(以後,1年コース)の卒業式で,私たちは1年間の学びを終え,さまざまな出会いと思い出を胸にしまい,それぞれの職場に帰っていった。あれから2年。振り返れば,私が国立公衆衛生院に行くために,多くの人々の協力と忍耐があった。県から1年コースに派遣された中で最も高年齢だった私は,子供も家族もいる中での派遣だった。「こんな高年齢の職員を派遣して効果はあるのだろうか。家族は大丈夫なのだろうか」と,県の心配は数限りなかったと思う。
ともかく,私の以前からの念願かなっての派遣となった。家族はわがままな母親のため,妻のため,嫁のために我慢したのだろう。案外,夫は「好きなことをさせておかないと,あとで何を言われるかわからない」と思い,舅姑は「老後を見てもらうために今のうち嫁のしたいことをさせておこう」と思い,子供たちは「お母さんの希望だし,しかたないや……」と思ったのではないだろうか。
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