映画の時間
―かけがえのない出会いとスコッチウイスキーがもたらす“人生の大逆転”―天使の分け前
桜山 豊夫
pp.421
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102745
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「天使の分け前」とは,ウイスキー党の方ならよくご存知のはずです.蒸留したウイスキーの原酒(モルト)は樽に詰められて長い年月寝かされることによって熟成しますが,熟成期間中にも少しずつ樽を通してウイスキーは蒸発していきます.つまりだんだんと樽の中のウイスキーの量が減少していきます.その量はおおよそ年に1~2%と言われますが,この減少分はウイスキーの味わいを高めるための「天使の分け前」と呼ばれます.
舞台はウイスキーの本場,スコットランド.万引きや喧嘩騒ぎで捕まった犯罪者たちの裁判が行われている法廷から映画が始まります.比較的軽微な事件なのでしょう,被告人の多くは刑務所へ行くのではなく,社会奉仕活動を命じられます.わが国では制度化されていませんが,イギリスなどいくつかの国では,刑事罰に代わる手段として社会奉仕義務を課するのが制度化されています.
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