Medical Scope
ガスリー法の理論
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.135
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205171
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フェニール・ケトン尿症では,血液中に非常にフェニール・アラニンが増量してくるので,この性質を利用して診断に用いたのがガスリー法(Guthrie法)というマス・スクリーニングの方法です。新生児でも,フェニール・ケトン尿症の症例では,生後3〜4日目より,もう,正常児より多量のフェニール・アラニンが血液中に増加していますので,それ以後なら,このマス・スクリーニング検査に十分ひっかかることになります。
アメリカでは1963年に404,568人の新生児をこのガスリー法によって検査し,新生児期に39人のフェニール・ケトン尿症を発見しました。約1万人に1人の割の発見率ということになります。現在では,USA全土でこのガスリー法が広く行われ,出生する全新生児の95%が新生児期にガスリー法による先天性代謝異常疾患のスクリーニングをうけています。さらに,一部では,この検査の自動化(オート・メーション化)が完成し,これにコンピューターまで使用して,大がかりなマス・スクリーニングが行われています。
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