私と読書
母性愛の本質をさぐる—「母性愛の研究」を読んで
木村 知子
1
1弘前大学医療技術短期大学部
pp.136-137
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205172
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最も崇高な愛情としてたたえられ,古今東西を問わず,種々の讃美の言葉が与えられてきた「母性愛」……これは現在の母親に存在するのだろうか。こんな疑問をもつ昨今である。
新聞,テレビなどを通して頻繁に報道される子どもの殺害や遺棄など,母子のきずなが壊れて,常軌を逸した陰惨な事件の数々……。悲劇としての事件よりも,一種異様な雰囲気をかもしだしていることが,よりいっそう,母性愛に対する不安をつのらせる。
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